続ける事と同じくらいやめる事も大事にしたい

20代も終わりの頃。漫画を描けなくなってしまった理由は仕事が忙しいからだと考えて、自分を納得させていた時がある。あと歳をとって少女漫画でデビューするのももう難しいということも、挑戦しにくい理由として数えていた。(当時は30過ぎると難しいという暗黙の空気が漂っており、SNS漫画の流れもまだ無かった)

今の自分がその場にいたら後ろからハリセンしてやりたくなるだろうが、その時は仕事に追われることも、年齢を重ねてしまった事も仕方のない事だと思っていた。そうして皆諦めるし、年相応の生き方があるだろうと。でもそれは表面だけの理由で、本当はただ漫画を描かないための言い訳を探していただけだった。

今はまだ描いている。もうちょっと上手くなりたいと毎日思っている。力不足な事も打ちのめされる事も山ほどある。むしろそっちの方が多い。

やめるに至る理由も、探そうとしなくてもゴロゴロ出てくる。家庭のこと、仕事のこと、体力も免疫力も落ちてゆくこと。今描くのをやめても、何人かの方は惜しんでくれるかもしれないが、いずれそれが普通になり、私の描いたものもインターネットの海底に沈んで見えなくなる。それはそれで自然な成り行きだと思う。

ただ私がもうおしまいにしようと思うなら、それなりに納得できることが必要だ。誰かではなく、私自身が納得できることが。もうこれ以上できない、というものを描いても描かなくてもいい。「私はやった。だからもうこれでいい」と思えることが必要だ、と思う。

そう思うことがこないならやり続けたらいいし、きたのなら、おしまいにするのも大事だと思う。周りに流されて続けるのとは違う、自分なりの覚悟を決めた続け方をすること。納得できたなら、やめるのもありだ。別のことにチャレンジすることだって出来るしね。

今日考えた事でした。